Oceanic abundance
海のような豊かさ
山のように届くメール、広告。
昭和、平成、令和と時代が移っていくなかで、コンピューターにより文字の量が増幅し、この10年で情報量は530倍に増加したといわれ、言葉が溢れるようになってきています。
インターネットで検索すれば、読み切れないほどの情報が出てきます。ここではそのような情報も言葉として定義しています。
検索したとしてもその内容が正しいかのかどうかを判断する基礎知識がなければ、判断するために、余計にたくさん調べることになります。SNSにおいてもたくさんの言葉が溢れていますが、ほとんどは読むことなくスルーされています。
つまり今のこの時代は言葉が溢れているという状態になっています。
このような状態だからこそ、言葉を断捨離することが重要です。
長文で送られてくるメール、読む気にならない情報たっぷりのメッセージ。こんなものが頻繁に送られてきたら、たまったものではありません。
逆に送る立場になったときに、適切な言葉を適切な量で送ることができているでしょうか?整理、整頓、掃除のように言葉を正しく捨て、正しく言葉を選び、そして正しくまとめることを意識しているでしょうか?
ここでいう正しい言葉とは、自分の思っている意図をできる限り正確に相手に届けるということです。
脳科学では、「意識的または主観的に感じたり経験したりする質」のことをクオリアといいます。わかりやすく言うと主観的なフィーリングです。つまり、ある言葉を相手に伝えた場合、自分が感じている質(クオリア)と相手が受け取る質(クオリア)は異なっているということです。
例えば、愛と平和という言葉に対して、自分と相手は違う質(クオリア)を感じているということになります。
その為、正確に届けるためには、どのような意味の愛と平和なのかを補足する必要があります。しかし、ややこしいのは、それに伴って、補足説明をするのですが、その補足説明も正しい言葉で伝えないと歪むことになります。
つまり長文になればなるほど、逆に歪みが大きくなるリスクも伴います。言葉を正しく選ぶとは、自分と相手の質感をできる限り近い状態にするということになります。
そのような意味で言葉を断捨離し、できる限りシンプルにコミュニケーションを取ることが、今の時代に必要なのではないでしょうか。